2017年03月06日

第66回フォーラム「日本の美のかたち」研究発表ご報告

続きまして、3月5日(日)に開催されました第66回フォーラム「日本の美のかたち」における、会員による研究発表を報告します。
なお今回の5件の研究発表は、それぞれ論文にまとめ、次号「形の文化研究」誌にて発表予定です。
学会誌編集委員会からの告知をお待ちください。

・研究発表
@ 13:05〜13:35「「破鏡飛上天」をめぐって」
白 雲飛(大阪府立大学客員研究員・国際日本文化研究センター共同研究員)
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「破鏡飛上天」に読み解く月相に映した男女の絆や感情のうつろいは、古今東西、時代を経ても変わらぬ真理、心理でありながら、新しさも感じさせる内容でした。

A 13:35〜14:05「16世紀における風流踊装束の変遷」
小出 真理子(湘北短期大学 講師)
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このたびの会場となった京都の室町はまさに、500年ほど前に風流踊りが賑わいを見せた場であり、時空を超えて、人々の活き活きとした様子が伝わってくる内容でした。

B 14:05〜14:35「国連持続可能な発展目標17枚のポスターの図」
井上 尚之(神戸山手大学 教授)
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先頃、国連が制定・発表した「持続可能な発展目標」に関する啓発マークに対する評価を基底に、地域的環境の特色や生活習慣の違いを超えて共有できるグローバル・スタンダードたるビジュアル表現について考えさせられる内容でした。

C 14:35〜15:05「構造主義批判―文化の型研究の立場から」
森 貞彦
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20世紀の社会科学の代表的思想と捉えられてきた構造主義は西欧の無意識的なエスノセントリズム、すなわち人間の精神における言語の役割の過大視から生まれた思想であり、今、我々がすべきは、ルース・ベネディクトが『文化の型』で暗示したように、いろいろな文化の型についての知識を豊富にしてそこから人類のもっとも望ましい進路を探し出すことではないか、という内容でした。

D 15:05〜15:35「緞子の特性を最大化する絹の経糸緯糸同色緞子の質感と美的評価に関する文化的考察〜図柄織物における配色のバルールと艶めき印象の効果について」
粟野 由美(東京造形大学 教授)
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内田繁氏が遺した「今を際立たせるためにしまう」美学をめぐり、経糸緯糸同色の和服(綸子)、古帛紗(緞子)があらわす変化(へんげ)の現象を、茶室における包囲光のシミュレーションによる分光測定、印象評価実験を用いて、うつろの美としてひもとく内容でした。

以上、5件の研究発表に続いて、山口源兵衛氏による、帯の実物を手に取りながらの特別講演「染織文様の意味世界」を拝聴すると、6件がそれぞれに結び合っていることが感じとれるフォーラムでした。

次回のフォーラムは2017年6月25日(日)、東京で開催する予定です。
会員の皆様は研究発表のご準備をお願いします。
非会員の聴講も歓迎しますので、ご予定ください。

余談ながら、この記事、当ブログの100件目でした。
posted by 形の文化会 at 18:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 2016年度の活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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