年度末発行予定の学会誌『形の文化研究 8号』にも報告書を掲載します。
概要をここにご報告いたします。
・研究発表会+特別講演会参加者 14 名
・懇親会参加者 11 名
・宿泊者 8名
・お茶会参加者 10 名 お茶人 4 名
・施設見学会参加者 9 名
【11 月 30 日】
<書籍展示>※11 月 30 日~ 12 月 1 日 ・『形の文化誌』1 号~ 10 号、『形の文化研究』 1 号~ 7 号、『にほんのかたちをよむ事典』を、 閲覧可能な状態で施設内ギャラリーに展示。

(展示風景)
<研究発表>
・「職人芸、あるいは周縁的な手仕事に現れる「心理的」エスニシティ~ランドスケープ設計、仏壇工芸、アートの現場から~」片桐 保昭(片桐仏壇店・アトリエピアノ代表)
・「幾何学的曲面を用いたパフォーマンスの生み 出す形」松浦 昭洋(東京電機大学理工学部 准 教授)
・「体験する科学と学びのデザイン~エクスプロ ラトリウムのものづくり」粟野由美(東京造形大 学デザイン学科 教授)

(松浦先生ご発表風景)
<映像資料鑑賞> ・『東京風景 1960-1965』
< 特別講演 >
・「柳デザインの実践~手で考える~」藤田 光一氏(一般財団法人 柳工業デザイン研究会) ・特別講演に関するフリーセッション
特別講演者に柳工業デザイン研究会の藤田光一氏をお迎えし、柳宗理氏の思想を受け継ぎ、現在に活かし、未来へ伝えていく意思をお話しいただきました。講演に続いて、柳工業デザイン研究会に伝わる資料や現在進行形の製品モックアップに触れながらの質疑応答、談話の時間を設けました。このあとの懇親会でも話題は引き続き、大変有意義な機会となりました。

(藤田氏ご講演風景)

(藤田氏ワークショップ風景)
【12 月 1 日】エキスカーション
<茶会> 茶人衆・岡傍会(おかびえ)によるおもてなし茶会
茶の湯の道具は作家の手の仕事、点前は道具に注がれた時間を思い遣り、茶会は亭主と客が季節風情に馴染み、万事調和を以って為す...2020 年東京オリンピック招致プレゼンテーションで印象深く披露目された「おもてなし」の精神は、茶席 の和を調律する型に込めて相伝されてきました。建築家が設えた窓という「空白の軸」に描き出される、午前の日差しに 映りゆく晩秋の紅葉を借景に、「手の仕事 ~語り継ぐかたち」を体感する清々しい朝茶会となりました。

(茶会風景)
ー茶会記ー
茶入 金子透
主茶碗 「覚」 浅井竜介
次茶碗 「知足」順理
釡 四方切合風炉 内田繁
宮 伸穂
水指 一閑張漆桶覆輪砂鉄蒔 日向 葵
茶杓 「コリオリの風」鈴木宗義
蓋置 竹炭黒漆 日向葵
建水 一閑張糸筋巻漆桶 日向 葵
茶 「五雲の白」宇治 上林
菓子 栗金団 岐阜 すや

(茶会遠景)
<施設見学会>
日本の建築史においても貴重な「八王子セミナーハウス」施設見学会

(展示資料)

(ガイダンス風景)

(見学風景)
待ち合い時間中に設立当時をしのばせる航空写真や敷地図、建築図面、掲載書籍資料等が展示、回覧されました。 大学セミナーハウス・高橋様より資料配布と施設概要を解 説いただき、建造物の随所に宿る物語をうかがいながら、 新しい試みとして始まっているアートビレッジのコテージ 内部もご案内いただくなど、「生きているセミナーハウス」 を見学しました。見学後は軽食とともに意見交換会の場を設けました。建築家、工芸作家、科学史家、工学者、デザイナー、茶道家など様々な専門領域、30代から80 代まで 幅広い年齢層からの参加者から、広がり深まる対話が生まれました。
この度のフォーラム、研究発表、講演会、懇親会、茶会、施設見学会に至るまで、お陰様をもちまして「形の文化会」にふさわしい、 豊かな機会となりましたこと、御礼を申し上げます。